【妊娠中】入院中に出会って感じた、母は強し。

私は第二子妊娠中に、『胎児発育不全』で約3か月間入院をしていました。

死産予告から無事に出産するまで①

入院生活が2カ月を超える頃になると、周りはどんどん入れ替わっていきます。

入院生活を共にしていた方が無事に出産して病室を出たと思えば、翌日には別の方が入院してくる。何事もなく妊娠・出産ができるとは本当に奇跡なんだなぁ。と感じる日々でした。

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入院中に出会った人たち

入院するまでは妊娠中のトラブルなんて無縁だったので、こんなにも様々な症例で入院している人が多いことに驚きました。

切迫早産や多胎妊娠、羊水穿刺が原因で羊水がすこしづつ漏れている人、私のように胎児のサイズが小さい人など、本当にこんなにもトラブルがあるのか、と思うほどいろんな理由で入院している人がいました。

切迫早産や多胎妊娠などはなんとか妊娠中を乗り切れば、問題なく生まれてきてくれる可能性が大きいですが、中にはすでに赤ちゃんが問題を抱えている方もいました。

同じ病棟の中でも私は切迫早産や、多胎妊娠など赤ちゃんに問題があるわけではなく、妊娠自体に問題を抱えている人が多い病棟でした。

みんなそれぞれ問題を抱えてはいるものの、妊娠期間を乗り切れば無事に子供が生まれてきてくれる可能性が高いので、実際に仲良くなった方で子供を亡くされた方はいませんでした。

一方、中庭を挟んだ側の病室は、赤ちゃん自体がすでに問題を抱えている方の多い病室でした。

病室が遠かったのであまり関わることがなかったのですが、羊水多すぎて一人で歩けない方、赤ちゃんの膀胱がなくて、産まれてきても生きていけるかわからない方など本当に様々な方の話を聞きました。

そんな中、たまたま仲良くなった女性がいました。

子供を亡くした女性

彼女は赤ちゃんが産まれてすぐに手術をする必要があるので、帝王切開前に入院をしていました。

(同じ状況の方に必要以上に悲観してほしくないので、病名は書きません。)

決して難しい手術ではないそうなのですが、胎児の状況により成功率が大きく異なるので、手術をしてみるまでどうなるか全くわからないという状況でした。

一度検査入院の際に出産時期も近いという事もあり仲良くなり、しばらくして彼女が帝王切開をするために再入院をしてきたときに再会しました。

『明日やっと産まれるんだ』と笑顔で話していた彼女と『手術うまくいくといいね』と話をしていた翌々日、朝食の下膳をした際に廊下で彼女に会いました。

長く入院していて、仲良くなった人たちがどんどん出産をしていきますが、産後に病棟で会ってもかける言葉は『おめでとう』でも『(性別)どっちだった?!』でもなく『お疲れ様』というだけで、相手が赤ちゃんのことを話してくるまでは赤ちゃんについては絶対に質問をしません。

暗黙の了解というのでしょうか、普通の出産のように手放しで『おめでとう!』といえない出産が多いから自然とみんな相手が話すまでは赤ちゃんの容態について質問することはありませんでした。

彼女と廊下で会った際に歩いていたので、『おなかの傷は痛まない?大丈夫?』と聞くと『私、ダメだったんだ・・・』と彼女は涙を流しました。

それを聞いて、私も彼女と一緒に廊下で泣きました。

彼女は震える声で、『一晩一緒に過ごせたんだ。次の子のためにも原因を知りたいから、今解剖してもらってる。かわいそうなことはわかっているけど、やっぱりなぜこうなったのか原因を知りたいんだ』と言いました。

聞いてもいない私に対しても少し言い訳のように『かわいそうなのはわかっている。だけど…』という言葉から察するに、恐らく解剖をすることを周りに反対されたのではないかと思います。

私の母は話を聞いて『解剖はかわいそうだ。自分なら解剖なんてさせない。』と言いました。

だけど、私には彼女の気持ちがよくわかりました。

もう二度とこんな思いをしたくない、もしはっきりとした原因があるのであれば、知りたいと思う気持ちが私は痛いほどよくわかりました。

そして、彼女は悲しみのどん底にいながらも、次の子への希望を持っている。

亡くなった子をないがしろにしているわけでは決してないし、次の子が亡くなった子の代わりでもない。

ただ純粋に次の妊娠に希望を抱いている。そこに私は母親の強さを感じました。

結局解剖によって原因が解明されたのかどうかは私は知りません。

最後に彼女は私に、『出産前に悲しい気持ちにさせてごめんね。○○さんは元気な赤ちゃん産んでね。』と私の気持ちを気遣ってくれました。

こんな状況の中でも私の気持ちを思いやってくれる彼女はやはり強い人だと感じました。

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どんな状況でも乗り越えられる

私が入院していた病室は割と安定した状況の人が多かったとはいえ、やはり検診の結果が思わしくなかったりすると、カーテンの中からすすり泣く声や不安を口にして涙を流す人も珍しくありませんでした。

私より早く出産を終えた人が、NICU(乳児集中治療室)に入院している赤ちゃんに母乳を届けるついでにお見舞いに来てくれることも多かったのですが、みんな産んでしまえばどんな厳しい状況でも素直に誕生を喜び、厳しい状況であってもどこか晴れやかな笑顔で赤ちゃんの写真を見せてくれたり、現状を語ってくれる姿を目の当たりにしてきました。

そんな母親達に会って感じたことは、『どんな状況でも乗り越えられる』ということ。

私も出産前までは無事に産まれてくるのか、五体満足で健康で産まれてくるのか、不安でたまりませんでした。

何か問題を抱えていると乗り越える自信なんてありませんでした。

もちろん、入院中に出会った人たちも乗り越える自信なんて最初はなかったと思うんです。

だけど、実際は母親は強い!きっと我が子の事なら乗り越えられると思うんです。

偉そうに書いてますが、私も妊娠中はいらぬ心配ばかりでネガティブになっていました。

だけど、産まれた子が厳しい状況でも明るく笑う母親たちと会って、その時になればどんなことでも乗り越えられるんだなぁ。と思ってからは不安になることばかり考えることはやめました。

今あなたが妊娠中で赤ちゃんの健康状態や無事に産まれてくれるのか不安でたまらないのならば、必要以上に不安になるのはやめましょ!

だって、産む前に考えれば考えるほど乗り越える自信を得るどころか、どんどん乗り越えられないような気がするから。

案ずるより産むが易し。なるようにしかならない!

起こるかどうかわからない不安に気を揉むのではなく、明るいことを想像してマタニティライフを過ごしてくださいね。

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コメント

  1. クマコ より:

    私も胎児発育不全で初期から赤ちゃんが小さめだったので妊娠中ネガティブになってしまっており、悪気はなく心配してくれていたとしても根掘り葉掘り状況を聞いてくる人には少し嫌気がさしてしまっていました。相手が詳しく言わない限りそっとしておくのは、親しい間柄でも言える事ですよね。
    私は現在NICUに入院中の息子に会いに通う日々です。挨拶のみで会話はしませんが、色んなそれぞれの問題を抱えつつ、笑顔でそこにいる先輩お母さん達の明るさに、めそめそしてる場合じゃないと、パワーをもらっています。
    本当に母は強し!

    1. Malaybaku より:

      クマコさん
      そうですよね、悪気はないと分かっていてもいろいろと聞かれるとしんどくなってしまいますよね。
      私も自分がこんな経験をするまでは気づかなかったのですが、妊婦の時に問題なく産まれてくることを前提に話しかけられるのがすごくつらかったです。
      悪気がないので、仕方のないことなんですけどね。
      ほんと、我が子のことになると母は強しですよね!私なんかは、子供を産むたび必要ないところでも強くなってしまって旦那さんが弱く見えてしまうくらい 笑
      産後にも関わらずNICUへ通うのは大変でしょうが、どうか無理をなさらず暑くなってきましたのでご自愛くださいね。

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