『マタ旅』はあらゆるリスクを考えて。海外で緊急出産したお客様の話。

先日、プレジデントオンラインに『妊婦の”マタ旅”に潜む”母子死亡”のリスク』という記事が載っていました。

世間では子供ができるとなかなか旅行にもいけないから、と”マタ旅”なるものが流行っているようです。

私自身も出産の経験もあるし、子供ができたら旅行に行けない!という気持ちも痛いほどわかります。

確かに、数年は海外なんて行く気にもなりませんよ。

だけど、15年近く旅行会社で働いていたので、妊娠に関わらず、旅先で様々なトラブルにあったお客様を見てきたし、保険会社の担当からも聞いてきた経験から、”マタ旅”を決めるにはあらゆるリスクを検討してほしいなと思います。

スポンサーリンク

予想外の出産

旅行会社で働いていた時に海外リゾートへ”マタ旅”に行ったお客様がいました。

実際、”マタ旅”に行ってる方は多くて、何もなく旅行を終える方が大半なんだと思いますが、ある夫婦は違いました。

直接対応をしていないので聞いた話ですが、奥さんは安定期にはいった7,8ヶ月の妊婦さんだったようです。

海外へ行くくらいですから出発前の妊娠の状態は順調だったのだと思いますが、やっぱり何が起こるかわかりません。

短い旅行期間にも関わらず、突然現地で産気づいてしまい、結果的に早産になってしまいました。

スポンサーリンク

早産の怖さ

私は第2子妊娠中に、『子宮内胎児発育不全』という胎児がお腹の中で成長が止まってしまう状態を経験しました。
発症は、妊娠6ヶ月の時で、恐らく生まれることはないと死産宣告をされた経験があります。

何とか持ち直し、3ヶ月の入院後小さいながらも健康な長女を授かることができました。

この経験をした時に、胎児の大きさももちろんですが、臨月までお腹の中で育ててあげることの重要性を何度も聞かされました。

私が妊娠中、医師から受けた説明では、『妊娠週数24週以上、500g以上になれば産まれてきても大きな障害が残らず行きていける限界のライン』と言われているそうです。

私が死産宣告を受けたときは500gを超えていなかったので、『赤ちゃんの命が助かっても一生機械に繋がれた状態になる可能性が高いから、お腹の中でどれだけ赤ちゃんの状態が良くなくても、24週、500gを越えるまでは様子を見るしかない。』と言われました。

『子宮内での1日は外での10日』と例えられるくらい、未成熟で産まれるとキャッチアップするのに相当な時間が必要になるそうです。

2ヶ月早く産まれたから、2ヶ月後にお腹にいた時と同じくらい成長してるかというとそうじゃありません。

妊娠週数が進んで、エコー写真なんかではかわいらしい赤ちゃんの姿をしていても体の機能はまだまだ未熟です。

中でも、一番最に出来上がるのは肺で、妊娠34週頃(妊娠9ヶ月)にならないと完成しないと言われています。

だから、34週(妊娠9ヶ月)以前に産まれてしまうと肺の機能が完成していないので自分で呼吸すら十分にすることができません。

スポンサーリンク

海外で緊急出産のその後

話が逸れましたが、上に書いたお客様の場合は7ヶ月前後で産まれてしまった赤ちゃんなんておそらく1kgにも満たないくらいのサイズで、ちょっと小さめとかいうレベルではなかったのではないかと思います。

旅先で産まれた赤ちゃんは当然ながら、飛行機に乗せて帰ってくることもできず、現地の病院での入院が続くらしい。とまでは聞きました。

その後、結局何ヶ月入院して、費用がいくらで、いつ日本に帰ってこれたのかなどは私の耳には入ってこなかったけど、相当な期間入院が必要だったんじゃないかと思います。

特に海外となると子供が入院中の親の滞在ビザの関係も絡んでくるし、何より出産、入院費用が想像できないくらい高額だと思います。

じぁ、飛行機に乗せて帰るか、というと万が一にも飛行機での移動に医師の許可が出たとしても、保育器を乗せて飛行機に乗るとなるとまた費用がすごいことになるし、医療搬送と言って医師や看護師同伴で帰国するのも同じく高額だと思います。

いずれにせよ、総額1000万は軽く越えてくるんじゃないかと思います。
ちなみに、このご夫婦は海外旅行保険に加入していなかったそうです。入っていたところで、産まれてきた赤ちゃん自身は産まれてきた以上保険の対象者ではないでしょうし、保険がどこまでカバーされるかも難しい問題だと思いますが。

この夫婦は赤ちゃんの命が助かったのだから、かかった費用の事なんて持ち出すべきではないかもしれませんが、残された支払いはその後の生活すらままならなくする可能性もあるくらい高額なのは事実だと思います。こればっかりはきれいごとでは済みませんからね。

健康保険の”海外療養費”という制度があり、日本で保険診療を受けた場合の7割が返還される制度がありますが、診療内容が保険適用か、使用した薬が日本でも認可されているものか、など事細かに決まっています。

さらに、現地で医療費が100万だったとしても、同様の治療が日本では50万で受けれるは場合は50万の7割しか帰ってこない。

この制度があるから。と海外旅行保険に加入せずに旅行へ行く方もいますが、思っている以上にお金って返ってこないんですよね。

妊娠中、過度に心配する必要もないとは思うけど、プレジデントオンラインの記事に書かれているように、何もなかった人の体験や一時の流行りに流されず、最悪の場合のことを考えて行動してほしいという一言に尽きます。

産んだらしばらくは〜とは言っても数年すれば海外もいけますよ。夫婦水入らず〜なんて、子供が産まれたらそんな気持ちどうでもいいくらい、子供がかわいくて仕方なくなりますよ。

“マタ旅”に行く人を批判するつもりはありません。
多くマタ旅に出るお客様を送り出してきたのも事実で、多くの場合は何の問題もなく旅行を終えられています。

しかし、ひとたびトラブルが発生すると、赤ちゃんの命が助かったとしても、高額な医療費を負担しなければならなかったり、最悪の場合は赤ちゃんの命すら危険にさらす可能性があることを忘れないでください。

スポンサーリンク

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Secured By miniOrange