
仕事がら海外旅行は一般の方に比べると多く行っていた方だと思います。
ただ、旅行会社はブラックな部分も多く私の勤めていた会社では1週間くらいの休みが取れるのはせいぜい年1回程度です。
それも長くてもMAX10日ほど。定休日のないサービス業ですから仕方がないですね。
それでも1泊2日でソウルや上海、3連休が取れれば香港や台湾など短い旅行へはちょこちょこ出かけていました。
幸い、今まで海外で治療を受けるような事は経験したことがないのですが、2回ほど海外旅行保険を使う機会に見舞われたので、私の事例を書いてみたいと思います。
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初めての保険請求は携行品損害
パリでスリ!
なんか語呂合わせみたいですが、パリですりにあった話です。
フランスとオーストリアを旅行で訪れていた時です。泊まったホテルでの朝食に行く際に、貴重品を部屋に置いていくか、持っていくか・・・悩んだ末に小さいホテルで金庫もなければ、鍵も頑丈ではなさそうだったので、持っていく方が安全だろうとを考えて朝食会場へ。
食事に夢中になりすぎたのか、小さいホテルで油断してしまったのもあり、貴重品が一式入ったカバンをスラれてしまいました。
鞄の中には、財布、携帯、パスポート、トラベラーズチェック、航空券(当時はEチケットはまだなく、紛失したらダメな紙チケット)などもうすべての貴重品を盗られてしまいました。
もろもろの手続き
とにもかくにも警察へ行き、盗難証明書を出してもらわなければなりません。
ホテルのオーナーに盗難にあった旨を話し、警察を呼ぶように要求するも、『警察は呼べないから、自分で警察へ行ってくれ。』と言われ、ホテルから歩いて交番へ。
はいはい、スリね。って感じで珍しいことではなく通常業務のように手続きが進められていきます。
警察官もフランス語しか話せない方が多いようで、奥から『英語苦手だけど頑張るよ』って言いながら若い警察官が出てきてくれました。
まず、取られた状況を説明。と言ってもいつ盗られたかなんてわかりません。そして、『憶測は話すな、確実に見た事だけを話すように』と言われたので、もう話すことはありません。
見てたら取り返してるよ!って感じです。
だから、何を盗られたかを一つずつ記載して、レポートにしてもらう作業がメインになりました。
親切な警察官で、クレジットカード会社に電話をつないでくれて、カードを止める作業をして、盗難証明書をもらって警察での手続きは終了です。
運悪く、日曜日だったので大使館、トラベラーズチェックのオフィス、航空会社も休みでできることはないので、その日はそのまま観光へ。
翌日、まず現金が欲しかったので、トラベラーズチェックを現金に換え、続いて航空会社へ。
チケット再発行の手続きを依頼するも、本社(カタール)からの回答待ちということで、翌日再訪することに。
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帰国の為の渡航書
その足で、大使館へ向かい、パスポートの再発行をしてもらうか、『帰国の為の渡航書』を発行してもらうか相談へ行きました。
旅行中にパスポートを紛失した場合、『帰国の為の渡航書』という帰国の為だけに使えるパスポートの代わりのようなものを発行してもらえば、再発行の時間を待たずに帰国ができます。
あくまで帰国の為だけに使えるというのがポイントで、帰国の途中に別の国へ立ち寄ることはできません。
私は2日後にフランスからオーストリアへ移動する予定だったので、本来であれば『帰国の為の渡航書』は使えません。
しかし、フランスとオーストリアはシェンゲン協定に加盟しているので、移動の際にパスポートのチェックがありません。
だから、もしかしたら帰国の為の渡航書でいけるのではないかと思い相談をしましたが、『帰国の為の渡航書ではダメ』だと言われ、旅程の変更やむなし・・・・と思ったのも束の間、大使館職員が私の名前を見て、慌てて裏へ引っ込んでいきます。
戻ってくるとメモを見ながら、何度も名前を確認されます。
『○○さんね(私)、○○の交番にパスポートが届けられているから、取りに行ってください。』
なんだって!?
パスポートが届いてるだって!?
見つかった鞄
急いで指定された交番まで行くと、盗まれた鞄がきれいな状態でそこにありました。
それを見て初めて『本当に盗まれてたんだ』と認識したのを覚えています。
だって、本当にいつ盗られたか全く分からなかったので、確かに鞄はないんだけど、盗られた実感が全くなかったんです。
で、きれいな鞄の中身を確認すると、現金とヴィトンの財布、携帯という金目のものは盗られていましたが、それ以外のクレジットカード、航空券、パスポート、日本の免許書など一式がきれいな状態で返ってきました。
捨てられている鞄を親切な人が拾って交番に届けてくれたそうです。
航空券も見つかったので、航空会社へ出向くと紛失した航空券番号(航空券一つ一つに番号が振られています。)を使えないようにブラックリストに載せたんだけど、本社から返事がないからそのまま使っていいよ。となんともテキトーなお返事が・・・
結局無事に搭乗できました。
緊急カード
クレジットカードは見つかったものの、止めているのでもう使えません。
私はVISAカードを利用していたので、カード会社に盗難の連絡をした際に、このまま旅行を続けるのならば、海外でだけ使える緊急カードの発行ができると案内されたので、手数料1万円ほどかかるものの発行の依頼をしていました。
発行してすぐに宿泊ホテルまで郵送してくれるということなので、パリの次に向かうザルツブルグのホテルで受け取りができるように依頼をしていました。
ザルツブルグのホテルで受け取った後、使い始めるには何か一つ電話で手続きを挟んだように記憶しているのですが、もう10年以上前の話で詳しい記憶があいまいです。(情報が古いので今は変わっているかもしれません。)
しかし、誰が受け取っても使える状態ではなく、非常によく考えられたシステムだなぁと感心した記憶があります。
で、この緊急カード帰ってきて調べてわかったのですが、緊急カードを発行してくれる対応はもちろんカードのブランドによって異なります。
幸いVISAは発行して、郵送で移動先のホテルで受け取れるという素晴らしい対応(しかも2日後には!)で、旅程を変更することなく旅行を続けることができたのですが、カード会社によっては発行までに時間がかかったり、受け取りにオフィスへ出向く必要があったりします。
オフィスも大きい都市であればすぐに出向けるでしょうが、マイナー都市に滞在している場合など旅程の変更が必要になったりしますからね。
海外へよく出かける方は、カード会社を選ぶ際にこの辺りの対応も調べておく方が良いかと思います。
補償された金額
話が長くなってしまいましたが、結局帰ってきたお金は以下
- ヴィトンの財布代 定価8万弱
使用して6カ月ほどでしたが、全額補償されました。証明として、買った時の記録があればベストだけど、なければ財布と自分が映っている写真など持っていたことが証明できるものでも可能。とのことで、買った時の値段や品物が書いていないけどルイ・ヴィトンで何かを購入したとわかるような用紙があったので送ったところ対応してくれました。 - 携帯代 購入金額3万円ほど
スマホではなくガラケー時代です。これも使用して1年ほどでしたが、正確な購入金額がわからず、おおよそ3万円で申告したら3万円が補償されました。
これだけで11万円弱が返ってきました。
盗まれた現金(4万)は仕方ありませんが、何よりも一番高かった財布が全額補償されたときは『保険に入ってて本当によかった—-!!!』と叫びたい気分でした。だってもう一度同じ財布を買うことができましたからね。
盗難のようなトラブルにあってしまうとその後の旅行も楽しめなくなりますが、少しでも補償されるとわかっていると少し気持ちも楽になるし、嫌な気持ちを引きずらずその後の旅行も楽しむことができました。
入っていて何もないことが続くとなんだかもったいない気分がしてくる保険ですが、被害に遭った時に少しでも補償されるのは金銭的にも精神的にもかなり救われました。
以上、私が初めて海外旅行保険の請求をした話でした。
この件から約7年後、今度は旅行中断費用を請求することになりました。
そのお話は次回書いてみたいと思います。
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