ビジネスマナーを意識しすぎなくていい。大切なのは相手への敬意。

新年が明けたと思ったら、早いものでもう3月ですね。
春から新生活を始める方も多いのではないでしょうか。

特に、春から新社会人になる方の多くはビジネスマナーの講習なんかを受けさせられる方も多いかと思います。

私も企業に勤めていた時は接客業だったこともあり、それはもうしつこいくらいに定期的に受けさせられましたよ。

そこで、私の経験から、ビジネスマナーについて思うところを書いてみたいと思います。

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本来の目的を忘れたビジネスマナー

そもそもマナーとは、『相手を不快にさせない』『相手を思いやる』という事がマナー本来の目的です。

ビジネスマナーも同じで、取引先や上司はもちろん共に働く同僚ともお互いが気持ちよく、円滑に仕事を進めるという事が一番の目的のはずです。

それなのに、よくわからない肩書を掲げた”ビジネスマナー講師”とやらが会社にやってきて意気揚々と『そんなしょうもないこと誰が気にしてんの!?』と言いたくなるような講習をしてくることがあります。

本来の目的である『相手を不快にさせない』『相手を思いやる』という事を忘れて、誰が作ったかわからない意味のない”マナー”を守ることだけが目的になってしまっているように感じることも多々あります。

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不快になった講習

これは、私が実際に受けた講習での事です。

講師は某大手航空会社の講師も務めたことがあるという40前後の女性です。
この時、すでに働いで10年を超えていたので、正直面倒だなぁ、と感じながらも頑張って講習を受けていました。

『髪の毛の色は何番まで』『マネキュアの色はベージュが基本』という身だしなみから始まり、『名刺の渡し方は・・・』『お辞儀の仕方は・・・』とまぁ、ありきたりな講習が進んでいました。

話は進んで、『つけ爪、スカルプやジェルネイルはビジネスにふさわしくありません』と言い出したあたりから、『つけ爪だろうが、スカルプ・ジェルだろうが、ボロボロの爪よりはマシなじゃない?』と心の中でこのマナー講師もしょうもないこと言うなぁ。。。なんて思っていました。

そして、お客さんの配偶者を”旦那様・ご主人”と呼ぶのは正しいのか、という話になり、このマナー講師は『”パートナー”と呼ぶべきだ。』という事を言い出しました。

この講習を受けたのはもう10年以上前なので、当時は配偶者を”パートナー”と呼ぶことなんて全く一般的ではなかった頃に、”パートナー”という言い方を推していたからでしょう、これでもか!と言わんばかりのドヤ顔で説きます。

確かに、今では同性同士の場合もあるので、”パートナー”と呼ぶのは無難な選択なんでしょう。とはいえ、年配のお客さんに対して、ご主人の事を『パートナーの方は・・・』と話しても伝わらんだろうよ。と本当に相手を考えてるのかもよくわからない話にイライラしていました。

そして、話は彼女自身の事になり、なんでも自分は『パートナーの事を”旦那様・ご主人”と呼ばれることに非常に抵抗を感じるから、パートナーと呼んでほしい』という事で、嫌な理由として”旦那・主人”という言葉の成り立ちをこんこんと説明をしていました。

そして、最後に『私は主婦ではありません、自分で稼いでいます。夫に養われているわけではないのだから、私はパートナーを”旦那様・ご主人”と呼ばれたくありません。』と言い放ちました。

で・た~!!!
いるよね~、いるよね~!こういうタイプ。
時代はすでに変わっててさ、世の中では本来の意味ではなく一般的に使われている言葉なのに、くだらないことにこだわり続ける奴!

そしてさ、私は稼いでいます!って、絶対に主婦を見下してるよね?
稼いでいる、稼いでいないは関係なくてさ、主婦だって家族を支える立派な仕事ですから。

仮にも”マナーの先生”であるはずの人が率先して講習を受けていた人たちを不快にさせましたからね。当時、独身の私でさえ聞いていて気分が悪くなりましたよ。

この発言以降、この講師の話は全く聞く気にならなくなりましたよ。
これって、髪の色が・・、お辞儀が・・とかっていう、ビジネスマナー云々の前に営業マンとしても最悪だよね、相手を不快にして話を聞いてもらえないって。

そして、講習の最後に身だしなみチェックが行われ、風邪気味でマスクをしていた私は、『清潔・健康的』という項目で×をつけられ、改善点は『マスク』と書かれた時は目の前で舌打ちしてやろうかと思ったくらい人を不快にする講習でした。

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必要性を感じないビジネスマナー

『相手を不快にしないため』とはいっても会社で働く以上、社外の人にとっては会社の顔と認識されることもあるので、挨拶や身だしなみ、言葉遣いや行動といった必要最低限守るべきマナーは当然ながらあります。

とはいえ、こんなマナーいるの?と首をかしげるマナーもたくさんあります。

名刺の高さ

名刺を出すときは、相手より下に出して敬意を表すというもの。

これを聞いた時は、右も左もわからない新人研修を受けた時だったので、そういうものか。と思っていましたが、今考えるとおかしいよね。

名刺の差し出す位置くらいでどうでもいいでしょ。そんなことよりさっさと交換して、本題に入りましょうよ。

というか、そんな小さなことで敬意をはかるとか、どんだけ人間小さいんだよ。と思います。

同じように、乾杯の時のグラスも目上の人より下にするとかってしょうもないマナーを説く人もいて、ほんと驚きますね。

ビールのラベルの向き

ビールを注ぐときはラベルを上に向けるというもの。

コレ、ほんっとうにくだらないわ~!
ビールのセールスしてるわけじゃないんだからさ、ラベルの向きなんてどうでもいいじゃない。

注いでくれるだけでありがたく思ってほしいよね。

お茶出しは女性

これは会社によりけりだと思いますが、私が勤めていた会社は平均年齢も若く、男女差のない会社でしたが、なぜかお茶出しだけは女性と決まっていました。

理由は、男性がお茶を出すのは格好がつかないとかなんとか。

昼食も取らず、締め切りに追われて、血眼になって必至こいて仕事をしている私の横で、手が空いている男性新入社員がいても『お茶お願い』だって。

『ふざけんな~!!!!』と言いたい。

見えなくなるまでお辞儀

『エレベーターのドアが閉まるまで』『お客さんが見えなくなるまで』お辞儀をする。のがマナーと言われています。

これ、本当に嫌なんですけど。
エレベーターなんか最悪ですよね。ドアが閉まるまで意外と時間がかかるし、その間お辞儀をされているあの微妙に気まずい空気。

あの空気に耐えられず、自分が見送られる側の時は”閉”ボタンを腕を動かさないように指先で連打してましたね~

仕事柄、北米から来客を接客する機会が多かったのですが、向こうの方はドアが閉まる直前に笑顔で手を振ったり、アイコンタクトで最後の挨拶をしてきてくれます。
なんか、文化の違いはあれどこっちの方がよっぽどお互い気持ちが良い気がするんですよね。

謝罪相手でもないんだから、相手の顔も見ずに顔を下に向けてお辞儀をし続けるよりも、相手の顔をきちんと見て最後に軽くお辞儀する程度も十分敬意は伝わると思うんですけどね~

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臨機応変さを忘れずに

色々とビジネスマナーについて書いてきましたが、決してマナーが必要ないとは思っていません。

『時間を守る』『敬語をきちんと使う』『公私混同しない』などビジネスマナーというか社会人として当然の守るべきマナーもたくさんあると思っています。

でも、『上座下座の位置は知ってはいるけど、状況によってはこだわり過ぎない』ことも必要ですし、『お茶を出すときは右側から』という事に忠実になりすぎて、狭いブースでもたもたしている新入社員なんかも毎年見ます。

取引先や上司と言っても結局は人間同士の付き合いです。

マナーにとらわれ過ぎて、堅苦しすぎるといつまでたっても打ち解けるどころか、とっつきにくく感じられることにもなりかねません。

何度も会ってるのに、いつまでもガチガチの敬語で話し続けられるとこちらも堅苦しくて、会うのが面倒に感じる事もありますからね。

実際、ビジネスの場に長年働いていても、そんなマナーがあったの!?と驚くようなマナーを言い出す”講師”に出会う事もあります。

だんだん新しい”マナー”とやらが増えてきて、がんじがらめになってしまいそうですが、よくわからないマナーばかりに囚われず、相手への敬意を忘れないで、相手の事を考えて行動すれば過剰にマナーを意識する必要はないのではないかと思います。




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